アガリスクエンターテイメントの「卒業式、実行」を見て来た。
俺が客演した演目「紅白旗合戦」のパラレルの世界だ。
どちらも同じ高校が舞台で、どちらも卒業式に国旗国歌を掲揚歌唱するかで揉める。
そしていい塩梅のところに落ち着く。
パラレルと言うのは、登場人物が違う。
あと時期が違う。
「卒業式、実行」は舞台が卒業式当日のショーマストゴーオン、「紅白旗合戦」は当日のちょっと前の会議モノなのだ。
その中で同じポジションの役柄というものは存在する。
生徒会長、卒業式実行委員会委員長、校長先生、などなど。
そこに付け加えたいのが、やや飛び道具扱いの、生徒側に理解のある先生ポジション。
俺は「紅白旗合戦」で、その枠の社会科教師を演じさせてもらった。
懐かしい気持ちで公演を見ていると、紅白旗合戦で俺が着ていた衣装の茶色のジャケット、そいつが現れた。
俺がいなくなった中、ジャケットだけ参戦している。
着ているのは、同じポジションの美術教師役。
まじかよ!!
騎手乗り換えだ!!
どうしたって、彼と自分とを比較してしまう。
その美術教師役は、ちゃんと台詞を覚えていた。
なんてこった!!
そして、笑いのギアチェンジ役として大変芝居に利いた演技をしていた。
くっそー!!
茶色のジャケット、好走。連に絡む活躍!!
美術教師が笑いを生むたびに、俺は嫉妬した。
嫉妬して、へこんだ。
茶色のジャケットめ!! 裏切者!! 浮気な奴!!
・・そんなような気持ちを、終演後、出演者のSくんに明かした。
するとSくんは、あの茶色のジャケットは、似てますけど前のジャケットと同じじゃないですよ、だって。
心が少し楽になった。