荒川の上にかかる中山道の橋の上から見る夕焼けは美しかった。
川の上にはさえぎるものがないので、それで生まれる奥行きが普段の町暮らしと違う情緒を俺にくれた。
ルートを変えた帰り道、日がとっぷりと暮れた18時ごろ、これまた荒川の上にかかる122号線の橋の上から遠くに望む、JRの流れる列車の窓明りの列も美しかった。
昨日、練馬から西川口まで自転車で往復した。
臨時で行った西川口のバイト先に忘れた上着を取りに行くためだ。
何をやっても人よりひと手間多くかかる。遠回りする。
最近、特にひどい。
そのおかげで、橋の上で胸を打たれた景色に出会えたわけだが、100万が1俺がこれから演劇で名を挙げても、「回り道のススメ」とか講釈を垂れないでおこうと心した。言いかねない俺がいる。
案外近いとも言えたが、西川口。
でも行って、バイトして、帰るならいいが、ただ往復するものではないと思う。
疲れた。