昨日は稽古初日だった。
今回初めて借りた稽古場はとても広く綺麗で、以前借りていた別の区の施設とは同じ値段。
稽古場を引っ越してよかったのかもしれない。
定刻5分前に稽古場に行くと、吉田覚丸くんと大城麻衣子さんがすでにいた。
おお、客演陣まじめ。
一方、グレートニュームラマツは遅刻してくる。
こいつは腰が低い割に、実のところ不真面目ではないかと、知り合って5年ぐらいでわかってきた。
ただ不真面目も嫌いではない。こちらも不真面目で気兼ねなく対応できるからだ。
演出のバブルから配られた脚本は、20ページ。三分の一ぐらいだ。
今回は半分再演みたいなものだから、完本して稽古スタートと言っていたが、実際信じていなかった。
稽古初日20ページは、そんなもんだろう。
グレートの不真面目と同様に、これも完本していなくてもよい。
全部配られて一気に全部覚えなきゃ、というよりも、出来上がったところからゆるゆる覚えていく方が普段の生活と照らし合わせた場合に、楽だからだ。
もちろん芝居のクオリティだけを考えるなら、初日から完本していて、以降終演までフルスロットルの方がよいものができる理屈はある。
でも、そこまでしゃちこばらくてもね。
不真面目と言って聞こえが悪ければ、ゆるさ、と言ってもいい。
ゆるさは、今現在、市民権を得ている魅力の一形態だ。
でっかいビルを建てるなら、ちゃんとしなきゃと襟を正すべきだが、演劇なんて基本なくていいもの、かつ、目の前に現れては消えていくものなのだ。
ゆるいものを作るには、ゆるい態度で作るのは道理だ。
もちろん限度はある。
蛇足ながら、俺は脚本を一月前に上げて稽古開始です。できれば稽古初日にうろ覚えぐらいも、一通りさらった状態で来てほしい。でも、まあ、さらってなくても仕方ない。