年末年始に帰れなかったので、先週末、このタイミングで帰省してきた。
またまた妹に、飯をおごってもらった。
イタリアン。
うまかった。
実家の一部を改装して始めた彼女の美容院は、順調なようで、俺に奢られることのためらいはない。
入って来る予約を、スケジュール表のどこに組み込むか苦慮する彼女に出くわして、演劇するわが身を思った。
俺もその日は満席ですと言ってみたいものだ。
横から見て思う彼女の成功の要因は、どうやら彼女はお客さんに夢を与えている。
一人一殺。
同時に複数のお客さんを取らない。こっちがパーマを当ててる間、こっちをカットみたいなことをしない。
一対一でお客さんを迎え入れて、二時間ほどヘアメイクを施す。
その間、お客さんとお話して、お菓子や、時には食事なんかも出す(母担当)。
まさに、おもてなし、している。
髪の手入れは一つの契機にすぎず、お客さんは妹の美容室ですごす時間を買ってるんだろうな。
そしてお客さんは、店に入って二時間後、見違えた自分に出会うのだろう。
でも、風呂入って寝て起きたら、妹のヘアメイクの半分は吹き飛んでいるに違いない。
でも時間を買ってるんだから、それは問題ではないのだろう。
俺のする演劇は風呂に入るまでもなく、劇場を出た時に吹き飛んでいる。
じぶんがお客さんに与えている時間というものを、考えてしまった。