3日坊主はクリア。
昨日、東急将棋まつりの3日目に行ってきました。
お目当ては、席上対局の渡辺竜王VS郷田九段戦。
将棋祭りには初日にも行っていて、その時は、自分が将棋を指すのに一生懸命で
羽生名人の後ろ頭しかみることができなかった。
そのリベンジマッチである。
***
でも、早めに着いてしまったので、将棋を1局だけ指しました。
振りゴマの結果、また後手で、今度は落ちついてゴキゲン中飛車にできました。でも負けました。
先手の「3七銀超速繰り出しからの一転して居飛車穴熊」持久戦志向に、
させるかあああああ!十分に組ませるかよおおおお!と
こっちは、王様の隣に金一枚おくだけの囲いで、
中央から全軍総攻撃をかけました。
結果、相手に、いやあ、もう途中までこっちが全然悪かったですよ。と言わせることに成功。
・・・
悔しいです。敵の最後のお願いの、と金作りへの対応を間違えました。相手にしなければよかったんだよな。
***
さて、席上対決は後手、郷田九段の注文で、意表の、一手損角変わり(!!!!! 郷田九段は常日頃、「棋理に反していると思うので一手損はやらない」と言っていた)で飛車を四間に振る将棋(!!!!! 郷田九段はバリバリの居飛車党)となった。
その意図は・・・
今後の趣旨変え含みの試運転?
それとも、こいつは変化球もなげるぞ!?と思わせる為の、見せ球?
見せ球にするには非公式戦である席上対局はちょうどよい場面と思われる。
***
郷田九段が渡辺竜王の、攻めてこいよオラ!というべき歩の突きだしに乗って、
銀を4四から5五に進出させ戦闘開始。
3三の角が、遠く銀冠に収まっている、渡辺玉をにらんでいる。
阿久津七段は、この攻めを一目、無理気味と言っていたが・・・。
図らずも、竜王に受けの妙手があり(中盤の一番熱い場面で、ひょいっとクールに金をかわす)、
渡辺竜王の完勝という感じでした。

***
しかし、席上対局というのは、ともすれば対局者ではなく、大盤解説の人が主役となるものなのである。
対局者は、ずっとちんと座ってるだけだしね。
この対局の大盤解説は、橋本七段と阿久津七段という、ダブル解説。
橋本七段は大盤解説の大盤の脇に立つなり、
「いやあ、やっと喋れます。もう喋りたくてしょうがなかった」
という、自ら面白ハードルを上げる、果敢な入り。
大丈夫なのかよ!?と劇団なんかやってる私は、多分会場の中で一人ハラハラする。
そんな私の前で橋本七段はズブズブと沈んでいきました。
必ずしも将棋好きとは限らないデパートの一般のお客さんを意識した
サービス精神なのであろうが、
一時間、人前で、面白い人であり続ける困難を、改めて思い知る。
個人の単独突破ではなく、あと一つの戦略、戦術があれば・・
秋元康が将棋ではなく、若い女の子に興味があるのが残念でならない。
将棋指しは将棋指しの、風格・佇まいを前面に出しておいての、おちゃめが一番得策だと思うのだ。
勝利者インタビューを受けた竜王も含めて、
この若手実力者たちは今回、普通のそこらにいるアンちゃん風の親しみを前面に出しすぎていたように思う。
本当に、そこらにいる普通のアンちゃんたちに見えた。
生って怖い。
ネット中継では、いい塩梅で、風格と親しみが混ざった感じで、情報は発信されているのだ。
***
そんな中、
渡辺竜王VS郷田九段戦の前にあった、駒姫トーナメントの決勝戦の大盤解説をさばいた、
というよりも、暴れ馬のような佐藤紳哉六段のボケをさばいた
矢内女流四段の司会能力は一女流棋士という肩書を大きく上回るものだった。
これには感嘆しました。
【関連する記事】