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2017年12月08日

チャンピオンロード

羽生が竜王に! ヘビがドラゴンに!

   ***

竜王戦第五局、羽生棋聖が渡辺竜王に勝ち、竜王位を奪取した。

これで竜王位通算七期獲得となり、永世竜王の称号を得た。

これにて羽生さんは永世規定のある七棋戦全てに永世称号を持つことになった。

訳が分からない。

前人未到の永世七冠という奴である。

これまでの永世六冠だって、羽生さんだけだった。

永世五冠には、大山名人と中原名人がいた。

羽生さんを将棋史上最強を謳う声は多い。

しかし、肝心かなめの名人の獲得/防衛回数が前の二人よりもぐんと少ない。

もちろん、棋戦全体での勝ちっぷりでは前の二人を圧倒しているのだが、

そこが羽生さんの小さな瑕疵になっていた。

今回のこの永世七冠達成は、そんな口さがない俺の声を黙らせる意味があるのだった。



羽生さんつえー。

羽生さん最強。



ほとんどすべての将棋ファンは、この二つを永遠に言い続けていたい願望を持つ。

俺が通う戸辺教室の教室仲間で、将棋教室を開いていた老婦人がいる。

彼女が教えた生徒には、今をときめく有望若手棋士がいるのだけれど、その老婦人にしてもタイトル戦では羽生さんを応援してしまうという。

戸辺七段は、グーグルマップで羽生さんの家の周りをぐるぐるストリートビューして、なんと羽生さんが映っている一枚を発見したそうだ。

ストーカーやん。

   ***

とはいえ、羽生さんも47歳。さすがに終盤での競り負け、自爆、はたまた立ち合いから一気に寄り切られて敗れる将棋が散見されるようになってきた。

それそろ最強を求めるのも酷だよ。いままでありがとう羽生さん。

そんな気持ちが一方で俺にはある。

そんな俺の気持ちを汲んでか、

伝え聞く羽生さん語録から思うに、羽生さんもこの下り坂を、楽しんでいるのではないか?

俺はそう推察しているのである。

羽生さんは25歳で七冠達成したあと、40歳になるまでの15年間においては、ほぼ一貫して、「勝ち負けに意味は見いだせない」というようなことを言っていた。

将棋を知りたい。良い棋譜を残したい。そう言っていた。

それが40歳を過ぎたあたりから、勝ち負けに関する言及が増えたように思う。

自身の加齢による衰えをセットにして。

年をとること、そんな当たり前のことに挑み、盤の対面に座るイキのいい若手に勝つ。

このドンキホーテ的な無謀の試みに羽生さんは自嘲はするのだけれど、そこには楽し気な色が混じる。

勝ち負けに意味はないと言っていた羽生さんが、勝ちたい、と言うようになった。

意味を見出せるようになったのだと思う。

印象的な言葉があって、

「結局、勝ちたい思いが強い人が強いのかなと最近思っています」

ここで言う強さには、一局の将棋の勝ち負けよりは、むしろ、勝負の世界に生き続けて美しくある姿のことが強く含まれている。

だって将棋の強さはどうしたって、読みの速さと深さと正確さだもの。

そして今回の竜王戦のインタビューでは、そんなどうしようもないリアル寄りの言葉が出てきた。

「盤上は日進月歩のテクノロジーの世界で、過去の実績(=STORY)は関係ない」

そらそうですよ。

勝ちたい思いが強い人が強い、というのはリアルな言葉ではない。

一方で過去の実績は関係ない、というのはリアルな言葉だ。

とりわけSTOTYの主役を30年張り続けた、羽生さんにとって、もっとも痛い言葉なはずだ。

しかし、羽生さんの中で両者に矛盾はない。

どちらを言った時の気持ちも本当なんだろう。

羽生さんは今と、昔、どっちが将棋を指していて、たのしいのかな。

今の方が少し楽しそうに見えるのは、将棋の勝ち負けを、自分の中のいい塩梅の場所に置くことできたからなのではないか。

防衛戦がまた、挑戦になった。

俺ごときが言うのもなんだけれども、それは、成熟した。強くなった、ということではないだろうか。

羽生さんの永世竜王獲得のインタビューで、インタビュアーは羽生さんのことを、老いてギリギリの防衛戦を続けている(今回の竜王は挑戦奪取なのだが、30年の物語的には延々と続くチャンピオンの防衛戦)チャンピオンとして、つらさや、意義や、困難を羽生さんに問うていたのだが、それを聞きながら、俺は

「今、案外楽しそうに見えるんですが、どうなんですかチャンピオン?」

と聞きたかった。

もう、おまえら、俺にインタビューさせろ。

posted by ボス村松 at 16:31| Comment(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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