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 「ボス村松のプリズンブレイク」
 2020.7.24(fri)-25(sat)
 @新宿シアター・ミラクル
 2500yen
  

2020年08月28日

東京夜光「BLACKOUT」観劇

東京夜光「BLACKOUT」見てきた。

2時間を超える作品を、緩まず見せる、脚本、演出、役者の力量に感服して、いやんなっちゃうね。

話としては、コロナ禍下で演劇することの困難と意義を前面にだしつつ、もう一歩根っこに分け入って、なんで金にならない小劇場なんてものをやっているのか…その言い訳を説いたバックステージ物。


***


主人公は小劇場の劇団主宰(作家・演出家、赤字持ち出し)。Aくん。

でも、演出助手としてなら逆に、ギャラももらえて食っていけるよという周囲のヒキに、どうしよっかなと悩む。

助演の筆頭格は、小劇場で名を上げた後、映像で新進気鋭の評価を受けている脚本家/演出家。Bさん。ほぼ活動休止といった状態で自劇団はまだ存続している。


***


この芝居で語られる芝居には以下のものがある。



1商業・アイドル・おもしろくない

2商業・アイドル・おもしろい

3小劇場・作家性強く唯一無二の一点物

4小劇場・おもしろいだけ

5商業か小劇場か不明・人生を狂わす奇跡の芝居・観た人は芝居を始めちゃう

62020年8月末に三鷹星のホールで行われる芝居



芝居の大部分の時間は、Bさんが妥協を交えつつ1から2を目指す稽古場を、Aくんが支えるというもの。

Bさんは3を作り出す才能ある人として描かれているが、Aくんがそれに同意しているかどうかは、ハッキリとしないまま。

芝居の外側にいる実際の観客(俺)には、この劇中の稽古場で作り上げられる作品が面白くなるとは思えない。

作家さんも、多分、この劇中劇はアカン芝居として書いている、はず。

でも、話の作りとして、この劇中劇は面白い芝居でないと座りが、悪い。

そうでないと、つまんない芝居をみんな面白いフリをして、作っていることになるからだ。

…。

ここまで書いてきて、ハタと気づいた。

この面白いフリの姿勢は普段の自分と、同じじゃん。

そういえば、俺は(そして多分、多くの芝居に関わる人間は)、いつもそんな座りの悪い思いをしながら、芝居を作っている。

意地悪だな。

痛い所の芝居あるあるを、非難がましくなく、サラっとぶつけてきたのか。



いや、この結び方も違うな。



劇中劇を、本当に面白いと思っている、劇中の人もいる。

劇中劇を、実は面白くないと思っている、劇中の人もいる。

劇中劇を、本当に面白いと思っている、実際の観客もいる。

劇中劇を、この芝居はつまんないだろ、と思っている実際の観客もいる。

視線の分だけ、価値判断がある。そういうことか。


そんな懐の深さをこの芝居が持っているのは、神様視点(作家の意図)が、主張として語られていないからだ。




Aくんは、劇中で4として評価されるが、この演目のラストで6を作ることになる。

6は、観客には、この演目「BLACKOUT」と重なって見えるように設計されている。



Aくんが、作家本人の投影であることは間違いないと思われるが、どこまでなのか。

作家本人のこの作品の自己評価が、3なのか4なのか、はたまた5なのかは気になった。



現在の演劇の批評という面がこの芝居にはあるので、7小劇場・つまらない の存在にも触れないと片手落ちかなとは観劇中に思ったが、劇中劇の座りの悪さは7の典型のようにも思われるので、あえて触れなくてもよい気も、今はしている。

8商業・面白い もあってほしい。

でも、二時間を超えているので、これ以上話を付け加えられないというのも、わかります。
posted by ボス村松 at 12:47| Comment(0) | 観劇の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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