第5話「タチャーナ」を公開中!
「ボス村松の外科室」
作画/出演 ボス村松
泉鏡花の短編小説「外科室」がモチーフ。
後日譚と前世の因縁を付け加えた長編戯曲を、
アニメ動画にしています。
全20話予定。
随時更新していきます。

2022年12月08日

教育的効用

小屋入り二日目。
場当たりという名目で、こってりと返し稽古をした。
場当たりで役者の演技に触れた分、スタッフのテクニカルな部分は押している。

というわけで演出さんが劇場主という特権を生かして、演出さんは劇場で今も残業中。

演出、兼、劇場主の名は新宿ムラマティ。
彼はそれだけにとどまらず、演出でありながら、照明、舞台美術、衣装、宣伝美術、小道具、etcを兼ねる。
そのどれもが界隈の玄人レベルなのだから、恐ろしい。
演劇マシンだ。
オーバーワークぎみであるのは見て取れてしまうのだけれど、それが新宿スタイル。
魅せてもらっています。

***

さて、新宿ムラマティ演出のバブル脚本は、バブル演出バブル脚本より、それぞれの役に焦点を割り振る感じのように思える。
新宿さんは元来が会話劇が好きな人で、会話劇というのはどセンターの主役を据えた物よりも、群像劇が多い。
全体の平均値を上げたい派なのだろう。
バブル演出はもっと焦点を絞る印象。
一番カッコいいシーンをカッコよくするために逆算して、あとは泣いてくれという感じ。

古いお客さんが、この演出の違いに、どういう印象を持ったか、終演後、聞いてみたいものだ。

***

さて、この公演は(も)、客席ガラガラが確定いたしました。
俺自身はガラガラ上等、何なら一桁の客席もイケるクチなんだけど、それが辛い役者さんには辛い闘いになるだろう。
客演さんには申し訳ない。

我々は本当に、全く、お客さんを呼べなくなった。
仕方ない。演劇雑誌のヘッドラインを飾る訳でもない古参の劇団は、おしなべてダメな劇団に見えるものだ。
我々は相当に古い。
でも小劇場において、面白さとお客さんの入りは、そんなに比例しない。そう思ってる。
認識が甘いのもしれないが、俺は俺を諦めていない。
おおむね諦めているのだけれども、心の一番深いところでは、諦めていない。

いや、違うか。諦めているのか。

ただ、諦めながらも、まだ演劇にしがみついている自分が、バカバカしい悲喜劇の主人公のようにも思える。
主人公ゲト。すごいじゃない。
そんな感じでニンマリしている。

現実は動かしがたいが、解釈は自分にゆだねられている。
解釈こそ、演出家の本分。

「物語なんて解釈次第で、どうとでもなる」

これこそ、演劇の教育的効用の一つではないか。
自分の人生を、戯曲のようにとらえる。
自分の生きやすいように解釈する。
コミュニケーションツールだけが、教育的効用ではない。

***

客席はガラガラ。それは確定。
一方で、「え?見に来てくれるの?」という友人から本日「見に行きますよー」という連絡が入った。
なんで?

ガンバリマス。

***

作・バブルムラマツ/演出・新宿ムラマティ
TIMETABLE:(※全7ステージ)
2022年12月
8日(木)20:00
9日(金)15:00/20:00
10日(土)12:00/17:00
11日(日)12:00/17:00
※受付開始・開場は開演の30分前。
チケットのご用命はコチラ




posted by ボス村松 at 01:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 劇団やってます | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初演を見てなくて較べられないせいもあるのでしょうけど、
特にバブルさんと演出が違うとかはわからなかったです。

観劇後に、オーディションのころのツイッターを遡りつつ思ったのは、初めて拝見する方が多かったけれど、みなさんうまかったなあということでした。そこは強く印象に残っています。
Posted by 市橋紋兵衛 at 2023年02月11日 20:25
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