久しぶりに早朝スーパーマーケットアルバイトに行った。
うん。この作業は嫌いじゃない。
何といってもお金を貰えるのがいい。
月初は商品の入れ替えの時期で、新しい商品がくる。
その商品に対応する値札は、俺の勤務する時間では、用意されていたり用意されてなかったりだ。
今日は、用意されていなかった値札をいっぱい作った。
作業としてはファインプレーと独りよがりのプレーの境目で、以前はこれをすると煙たがられたりもした。
最近は認められている気もする。
わからんけど。
もう10年ぐらい働いているのだが、少しづつ陣地を広げている俺なのだった。
もっとガンと陣地を広げようとした時もあった。
思い出すと、はずかしい。
サッカーの記事を読むとよく出てくる比較文化で、海外の自己主張気質と日本の同調気質がある。
海外に出た選手が、ヨーロッパじゃ要求するのが当たり前と、自慢げに言う。
日本だとねー、と下に見たように言う。
それにカチンときて、別に日本にいても自己主張できるわ、と変にリーダーシップを取ろうとしたのだ。
俺が、このスーパーマーケットの、アルバイトという場所で、サッカーの海外組に対抗して。
あほか。
あれは、いかんかったなー。
上手くいかなかったし、何より、自己主張の仕方もいかんかった。
中途半端だった。
今、思い出して、背中がうひーと熱くなった。
具体的な一例を挙げるよ。
通常、レジに人が並んだ時にレジ応援を呼ぶところを、俺はレジに人が並ばないように一呼吸早く、レジ応援を呼んだんだな。
自分が持ってるピッチの内線で呼ぶだけじゃなくて、自分がピッチを持ってない時も、持ってるレジの人に「内線おねがいします」とか声をかけたりして。
みんな、このタイミングでレジ応援を呼ぶようにしようぜ!という、意思をこめて。
バイト内で波紋を呼んだなー。
それぐらいで呼ばれたら、値引きの作業ができねーよ、とか言われて。
俺はいや、できるだろ?と思ってたから呼んだんだけど、できるだろ?とは言わなかった。
うーん。中途半端。
あと、単純に人に指示されると面白くないという、感情的な反発も当然あった。
今は何も言わない。
言わないで、少しづつ自分の陣地を少しづつ広げていって、怒られたら、ごめんと謝って、ちょっと引っ込める。
その引っ込めた所から、またそろりそろりと、陣地を広げにかかる。
もう10年して振り返ったら、これもまた、いらない自己主張と感じるのだろうか。