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2007年11月06日

プリティガール観劇、その2

プリティガール観劇、その1はこちら 

   ***

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そもそも王子様役、コウジさん(写真左)の人物造形がおかしい。

「不器用で」「優柔不断の」「優しい」、男という設定であったのだが、

この三つの要素で唯一のポジティブな性質をもつ、「優しい」エピソードが一つも出てこないのである。

不器用っぷりと、優柔不断っぷりは、これでもかこれでもかと、アピールされるのだが。

芝居の冒頭は、前説も兼ねたコウジさんのマジックショー。(コウジさんは売れないマジシャン)

まず、このマジックショーで失敗。

ここで初めて緞帳が上がって、そこには、オープンカフェ風のイタ飯屋のセット。

このイタ飯屋でマジックの失敗を悔やんで飲んだくれる、コウジさん。

敏腕イベントプロデューサーでもある、最近疎遠な彼女に説教食らってシュンとなる。

甘えてみるが、仕事があるの、と彼女は立ち去る。

ここの二人の距離感が難しい。彼女はほとんど、コウジさんを嫌悪している風で、でもコウジさんは未練たらたら、が素直に見たところ。コウジさん一人がまだ付き合ってると思っているという印象を私たちに与えたいのだろうか。

後に、彼女が彼の家を訪れる場面があるのだが、その時彼女に、この部屋も2年ぶりかしら、とか言わせているのは、さすがに、おいおい、それは別れているだろう。

まあ、いろいろ辛い事が多いので、コウジさんがグデングデンに酔っ払ったところに、浅野温子登場。

キツイ彼女(元カノ?)に、やいのやいの言われた直後なので、浅野温子に女は素直なのが一番と、愚痴る。

浅野温子は、東京に馴染めない青森出身のドジっ子なのだが、素直には自信があるので、私にはこの人しかいない、となる。あと、彼女はファザコンの気があり、その父の持論も、女は素直なのが一番。

一夜明けて、コウジさんの自宅。

自分の布団に、見知らぬ女。浅野温子。

出てけ!おまえなんか知らんと、相当な剣幕のコウジさん。

気持はわかる。

何せこの浅野温子ときたら、林家パー子的色彩・柄の衣装を、レゲエおじさん@上野公園ばりに重ね着している、素っ頓狂な女なのだ。トドメとばかりに重苦しい茶髪のオサゲのヅラをかぶっている。そこに、あぶない刑事の時のコミカル演技を舞台用に大袈裟に仕立てたためその分モッタリしてしまった演技が加わる。

今思えば、それらは、「東京を勘違いし東京に馴染めない女」という記号だったのかもしれないが、最初は(というか、芝居のほぼ全編を通して)あの都会的いい女の雰囲気を持つ、僕らの浅野温子さんが何でこんなことに?という戸惑いのみを私に与えた。

出て行けと、キレるコウジさんに、「青森に帰るつもりでアパートも引き払った時にあなたは現われた。東京で私は何もなかった。私は東京の思い出がほしい。私には帰る場所がない。だから、すこしだけあなたの部屋に置いて、東京の人」と泣きつく。

それに対し、コウジさんは、俺もう家を出る時間だから行くけどおまえすぐ出て行けよ、とキレっぱなしで、部屋を出る。

ここか!

ここでツンデレ感を出た上で、俺もう家を出る時間だから行くけどすぐ出て行けよ、とい言えば、1ポイント獲得だったのかもしれぬ。

もう、赤井秀和!

「あいつが家に居ついて帰られへんねん」と事務所のソファのベッドで夜を明かす赤井秀和。

「おまえは師匠のお気に入りやさかいな」と後輩に嫉妬する赤井秀和。

料理を作って待っている浅野温子に、「俺は家で飯は食わへんねん」と意味不明のこだわりをみせて、また、好感度を下げる赤井秀和。しかし、「僕は自分の部屋で食事を取らないことにしているんだ」と東京弁で言えば、あるいは都会的こだわりに昇華していたかもしれず、残念です。

青森から浅野温子の幼馴染が様子を見にやってきたぞ。

「俺はどうあっても、あんな変な女を好きになれん」と幼馴染に愚痴る赤井秀和。気持はわかる。そこまでの浅野温子の風体・演技とも怪人という作り。しかし、「つきおうたいうて、友達に見せるの恥ずかしいし」はNGワード。王子様役の言うセリフではないです。

幼馴染は「東京の浅野温子は浅野温子じゃねえ。青森のりんごの木の下の浅野温子はめんこいんだべ」と語る。実はこれが、作品を通すテーマ。

赤井秀和は、師匠から預かった、大事な、極秘の、マジックのネタが入ったフロッピーディスクを電車に置き忘れてきてしまう。不器用だから。この辺は実に他人事とは思えません。

しかしマジシャンで不器用というのは、今更ながら、致命傷すぎなのでは?

イタ飯屋で、もうあかん破門やあ、と頭を抱える赤井秀和の下に、山のようなチラシを抱えて現れる浅野温子。これを駅で配るのよ! アホか山手線はぐるっと一回りしとるんや。どの駅でチラシを配ればええんや! そんなの全部の駅で配ってみるわ私! そんな恥ずかしこと止めや! ああ、コウジさん!

で、浅野温子の持ってきた「拾った人いませんか」チラシの山はコウジさんの振り払った手により、イタ飯屋の床にばらまかれます。菊次郎とさき、の菊次郎みたいと言えば、優柔不断で不器用で優しい男という範疇に入るのかもしれませんが、これでは浅野温子がかわいいそうです。

もう、しまいや、と自分んちでも頭を抱える赤井秀和に、きっと誰かが拾って届けてくれるわと浅野温子。

こんな男のどこがいいんだ?

でも、こんな女にも惚れられたくない!

そこに彼女(元カノ?)が登場。

バカじゃないの?何で私がアンタを慰めなきゃいけないの?と罵倒。とにかくキツイ女です。

なんやおまえ、と赤井秀和。

ごめんなさい、私が呼んだの、と浅野温子。コウジさんと彼女、二人は本当に好き合ってるのに、と発言。

物語の構成上、そうでなくては成り立たないシーンが多少あったので、そういう設定なんだろうなとは思うのだが、心が納得できない。

何せこの女キツイ。

グズ・マヌケは挨拶程度。「5,6回寝たぐらいで何か友達以上の関係があったように思うのはやめてよね」は決定的と思えて、その実、二人の付き合いは7,8年という設定なので、7,8年で5,6回は、彼女の主張が正しいようにも思われる。あと、「今、結婚を考えている男がいるの」とも宣言している。

二人は本当は好き合っているのだろうか?

唯一、

「あなた私に一度も好きって言ったことがないじゃない!」
「俺が好きって言ったら、おまえ、俺たち二人のことを考えてくれるか?」
「・・・・・・」

というシーンがありました。まあ、このシーンがあった以上、彼女は赤井秀和に気持ちがある設定なんだろうが。

とにかく、罵倒し倒して部屋を去ろうとする彼女に赤井秀和はついに言い放つ。

「おまえは冷たい女や。でも俺はそんなおまえが好きや。

おまえは俺が単なる友達や、言う。

それは、それでもう、ええ。

でもな、

俺は、

一生いっしょにいるんやったら、

友達のピンチに慰めひとつかけられん女なんかより、

この林家パー子を酷くしたような服を着て

気持ち悪い演技をする

この浅野温子を

選ぼう思う。

こいつは、俺のピンチに山手線の駅全部にチラシ配って、

拾い主をさがそうとしたんやで? 

おまえにこんなことができるか?

おまえは俺とどっかの男を天秤にかけて、楽しんでるみたいやけど(俺にはコウジさん、歯牙にもかけられてないように見えたのですが)、

こいつは俺のことをずっと心配してくれてたんや(ずっと?・・・設定としては1月弱の居候生活のはずだが)。

キモイ女やけど、一生いっしょに暮らすなら俺は、冷たいイイ女風のおまえなんかより、

素直でやさしい、

こんな女を俺は選びたい」

ここにきて、突然の説教モード!

何で? 何で、あんたは、そんなに強気でいられるの?

対して、その言葉を投げられた彼女の心中は如何に?

フザケンナだよな?

と彼女を見てみると、

言葉こそ発しないが、拳を握りしめ体を斜に構えて唇を噛むその演技は、痛いところを突かれた時の演技!

やっぱり、あんた、赤井秀和サンのことが好きだったんだ!

ドーン!

だっふんだー!

走り去る彼女。

「追いかけなきゃ!」と浅野温子

「ええんや」

「出ていくのは私の方」と突然むずがる浅野温子。

「1か月も頑張って、俺の部屋に居座ったんや。もうちょっと頑張って、一生居座れや!」

ホロリ・・・(´;ω;`)

んで、暗転。

これまでは、暗転中、大音量で音楽流して、次の舞台装置を用意されるのを待つ、場面転換だったのだが、

大音量の音楽が消えないままに照明が明るくなる。

すると緞帳が下りていて、その前にブラインドが下がっている。舞台ヅラからバトンまで7,8メートルはあろうかという大ブラインド。特注であろう。

ブラインドには絵が描かれている。表を向いた四枚のトランプの上に重ねられた、1枚の伏せられたトランプ。赤井秀和さんはマジシャン設定だからね。何かを象徴しているのでしょう。

流れ続ける音楽、緞帳、ブラインド。ブラインドに描かれたトランプ。

何も起こらない。

now loading...みたいな時間が延々続く。

流れ続ける音楽、緞帳、ブラインド。ブラインドに描かれたトランプ。

「これ、事故だよな」

と、同行の山岸に声をかけると、山岸の唇も、歪む。

「やべ、俺のお腹が痛くなってきた」と同じ作劇をするものとしてのシンパシーが頂点に達したとき、

ブラインドがカチャッと音を立て、180度回転して、新しい絵が私たちの前に現れる。

伏せられていたトランプは返されて、その柄は、ハートのクイーン!

ハートのクイーン!

すぐにブラインドは90度回転し、すると今度は、後ろの舞台セットの様子が明らかに。

1本のリンゴの木が立つ。

そこは青森!

緞帳は、ブラインドの後ろまでは覆ってなかったのだった。ミラクル!

リンゴの木の下には浅野温子が立っている。

東京時代の素っ頓狂な服を脱いでヅラを外して、ラフな格好で、リンゴの収穫をしている様子。トレードマークのつややかな、あの黒髪が美しい。

そうやら彼女は東京から帰ってきたみたいだ。

しかし、どうして?

赤井秀和は?

もちろん、その疑問はすぐに明らかになる。

赤井秀和が、こんどは東京から浅野温子を追ってやってきた!

「なんで今になって?コウジさんの意地悪。やっと思い出になったところだったのに」

「なんで、出ていったんや?」

「東京の私はヘマばかり。コウジさんの足を引っ張ってしまうわ。青森に帰ってきてわかった。私は青森の空気の中で、初めて私になれるの」

たしかに!

東京バージョンの素っ頓狂な衣装を脱いで、ジーンズと白いシャツという格好で、リンゴを収穫する浅野温子さんは、俺達のよく知る、美しい浅野温子さんだった。スラリとしてて、知的で、いい女風の、洗練された、都会的な、・・あれ? これ青森じゃないよ? これ東京キーワードだよ!?

しかし、東京の男である、関西弁の赤井秀和は、青森の浅野温子を見て感嘆するのだった。

「ああ、青森の君はめんこいよ。これなら君を好きになれる」

何様だよー!コウジさん!

そんな俺の心のフォルッテッシモと同期して、

舞台上ではお互いがお互いを思う気持ち、愛が、最高潮にまで達し、

足がツンってなってる抱擁をして、

幕。

失くしたフロッピーディスクがどうなったかは、語られず。

定価8500円のところを、私の彼女の所属するサークルの会員価格2000円で入場。

堪能しました!

posted by ボス村松 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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